しかし、問題は全オリジナルアルバムを抱き合わせしたボックスセット *だけ* のおまけ映像。映像は2種類、片っぽのミニドキュメンタリーの方はボックスについてくる DVD と同じだと思うので(要確認)まあどうでもよかったのだけれども、もう一方の ライブ映像 はまさにビートルマニア垂涎のシロモノ。ビートルズ念願のアメリカ初上陸時、1964年2月11日のワシントンD.C.コロシアムで行われた歴史的なアメリカでの初コンサートの模様を収録した映像で、これがすごかった。
Washington DC のコンサートはドキュメンタリー作成用に撮影されていたが、アメリカ上陸時のあまりの反響に、急遽劇場での公開が決定した、といういきさつがあり、これを元にした映像はあちこちに出回っていて、ビートルズ・シネ・クラブが主催していたフィルムコンサートなどでも時折お目にかかる機会はあった。たとえば、1978年にIP/集英社配給で公開された ザ・ビートルズ グレイテスト・ストーリー という映画の中で数曲見られたり(後年、東映ビデオからβ/VHSでビデオもリリースされた)、1982年に日本テレビで放映されたビートルズ電リク番組で放映されたりしたこともあったものの、この時点では現存する画像はフィルム起こしの状態の悪いもののみ、最後から2曲目の Twist And Shout が尻切れトンボで終わる、というのが最長版だと考えられていた。
この状況が大きく前進したのは、その後、ビートルズ側が公式に1990年にリリースした ザ・ビートルズ ファースト U.S.ヴィジット に I Saw Her Standing There, I Wanna Be Your Man, She Loves You の3曲が比較的良好なフィルム映像で収録された時。これだけでもマニアは大喜びしたのだが、さらに1995年制作の ザ・ビートルズ・アンソロジー の作業過程で、ついにマスターとなるビデオ収録映像の存在が確認され、幻と言われていた Long Tall Sally の映像がプロモ用映像としてTV放映が許可された。このとき、ようやくビートルマニアはワシントンDCの映像は元々ビデオ収録で、映画館公開時のフィルムはキネコ(ビデオ映像をフィルムに変換すること)だったのを知ったのだ。
以降、マニアの間では「ワシントンD.C.コロシアムのコンサートは高画質ビデオ映像版が (Beatlesの) Apple Corps にはあるはずだ」という共通認識が確立されたが、そのあと公式に高画質版が長編で発表されることは無く、ビートルマニアはまさに「おあずけくった犬」状態の飼い殺しになっていた。
1964年2月11日。歴史的な「エド・サリヴァン・ショー」出演から、わずか2日後。ビートルズはアメリカ初のライブコンサートを行い、さらに歴史を作りました。ワシントン・コロシアムで7,000人を超えるファンの目の前に登場した彼らは、「I Saw Her Standing There」「She Loves You」「I Want to Hold Your Hand」などのヒット曲を次々とプレイしたのです。
レコードコレクターズ2004年2月号の『ホリーズ特集』に掲載された Graham Nash の(当時の)最新インタビュー『ホリーズはロックの殿堂入りすべきだよ』から足掛け6年、ついにそれが実現する日がやってきた。
2010年3月15日、NYC の Waldorf Astoria ホテルでの記念式典では、歴代 Hollies から Graham Nash, Allan Clarke, Eric Haydock, Bernie Calvert, Terry Sylvester の5人が参加。残念ながら、現役 Hollies を率いて UK ツアー中の Tony Hicks, Bobby Elliott は参加できず、件のナッシュのインタビューで語られていた「一緒にホリーズとして唄う」は完全には再現されなかった。記念式典前の Bobby のインタビュー The Hollies - The Hollies Rockers To Miss Hall Of Fame Induction - Contactmusic News では、「授賞式に参加するみんなを祝福するよ、彼らが僕のを無事に持ってかえってくれることを祈ってる(bring my award back in one piece)。(UKツアーの)会場の日取りを変えるのは無理なんだ。ちょっと厳しい選択だったけど、やっぱり母国のファンを優先しなくちゃね」と語っていた。授賞式では Graham がこれに答えて、「Bobby と Tony は昨晩 London Palladium でプレイしたので来られません、彼らの分を無事に持って帰れればいいけどね(hope we take their awards home in one piece)」とスピーチしていた。(動画はこちら on YouTube)
それに先立つ Allan のスピーチは感動的。「親父に音楽でプロになるって言ったとき、もっても3-4年だろうって言われたのを覚えてる。だから、手に入ったお金をせっせと銀行に預けたんだ。なあ、親父、俺はこうして殿堂の一員に迎えられたよ。なんて長い年月なんだろうな(How's that longevity)」だって。いいなあ。
これに続いた Graham のスピーチは、彼の人柄がわかる感じ。彼にとって、Hollies の殿堂入りは長年の願いだったのは先のレココレのインタビューからも知れる通りで、ノミネートと投票に尽力してくれたいろんな人にまず感謝。病気で来られなかった初代ドラマー Don Rathbone に早く良くなるように祈ってる、とか、先の Bobby と Tony に祝福と感謝を、とか、Hollies のプロデューサーで昨年亡くなった Ron Richards とかへの感謝も忘れない。でも、彼にとってこの殿堂入りで「特に」とスピーチで念押しするくらいうれしかったのは彼が5歳のときから63年間の親友である Allan が殿堂入りすること、と述べている。(動画はこちら on YouTube)
登壇した5人全員のスピーチが終わった後、Graham と Allan がステージに残って3曲を披露。バックは CBS の看板番組の一つ、Late Show with David Letterman Show の番組ハコバンを担当している Paul Shaffer band が勤めた。(動画は こちら と こちら on You Tube)
2000年にエンターテイメント界からは引退していた Allan がどうなのか、と、見ているこちらは期待半分、怖さ半分状態。当の Allan 本人もステージに上がることには相当ナーバスになっていたようで、Graham も記念式典前のインタビュー Graham Nash Says Entering the Rock Hall With the Hollies Is Bigger Than With CSN - Spinner では「Allan はもう唄えないんだ、でもタンバリンとギターで演奏に参加する予定だよ」と答えるなど、Allan にプレッシャーをかけないように気配りしていた。(ちなみに、このインタビューでも Graham の Allan に対する親友としての思いが端々から伝わってくる。)
記念式典後の Graham のインタビュー The Hollies - Nervous Clarke Took Singing Lessons Before Hall Of Fame Concert で明かされたエピソードでも、「(殿堂入りが決まって)初めて Allan に電話して殿堂入りされるときに何曲かやれるかいって訊いたんだ、そしたら『もう10年も唄ってないんだし、唄えると思えないよ。とりあえずヴォーカルコーチのところに行ってみて、どうなるか見てみるしかない』って言ったんだ。一週間後、彼が電話してきて言うには、『わかるだろう、昔と同じに唄えないんだったら唄いたくないんだ、だから唄うって約束できないよ』って。」と語っている。しかし、このインタビューの締めくくりの Graham の言葉は「でも、リハーサルの最中に Allan は唄いだしたんだ、それも昔通りにさ」...そう、Allan は唄った。10年のブランクがある御歳67歳なんて思えないくらい溌剌としていた。
初めの2曲、Bus Stop と Carrie Anne は Maroon 5 の Adam Levine と Jesse Carmichael がサポートヴォーカルとして参加。Allan のヴォーカルマイクはミックスを小さめにしてあって、ちょっと聴きづらいのだけれども、時折 Allan の声が聴き取れる。そして Allan にとってのハイライトは3曲目、72年に US Cash Box で1位に輝いた Long Cool Woman In A Black Dress。こちらには Train の Pat Monahan がリードヴォーカルとして、また今回 Hollies へのプレゼンターを務めた Little Steven Van Zandt がギターで参加。この曲は Allan が主導して書いたナンバーで、かつイントロの印象的なギターリフも Allan が「発明」したとあって、まさに Allan Clarke 一世一代の大ヒットと言え、Graham 脱退後のナンバーであるにもかかわらず Graham も友人として嬉々として演奏に加わっている。やっぱり親友の晴れ姿がこの人にとってはなにより嬉しいんだね。こちらでも Allan のマイクはミックスが小さめだが、こっちの方が唄いやすいのか、往年の Allan 節が端々に聴こえ、嬉しくなる。
この Long Cool Woman In A Black Dress 演奏中にちょっとした事件が。Terry Sylvester が飛び入りのように参加して、1stヴァースの終わり頃に Pat Monahan に耳打ちしてマイクを奪取(笑)、2ndヴァースを嬉々として唄い始めるのだが、Allan は毅然とマイクを Pat に返すように Terry に促すのだ。はしゃぎ過ぎ Terry をたしなめる Allan 兄貴、といったところか。
(2012/01/10 追記): どうも Terry にとっては癪に触る出来事だったようで、彼のオフィシャルサイト www.terrysylvester.com の News セクションの 2011/1/13 付けの箇所では以下のようにコメントされている: In answer to lots of emails regarding the 2010 induction of the Hollies into the R&RHOF, Terry has this to say, "Nash & Clarke were extremely disrespectful to me, & that kind of behavior will not be tolerated". Also, why was Nash still on the stage for 'Long Cool Woman, In A Black Dress' playing tambourine? Hypocrite!
そうはいうけれど、ご自分にとっても名誉この上ないはずの晴れの席にサッカーユニフォームとだぼだぼコートで現れて、Pat Monahan が全編リードを歌うという段取りも無視して、自分のエゴでマイクを奪い取るってのは褒められたもんじゃないんじゃないですかね… Terry さん。
amazon.de と amazon.fr はそれぞれドイツ語、フランス語しかないので博打ですが、各国のサイトの作りはだいたい共通なので、当てずっぽうでもなんとかなるものです。ヘルプページは英語もありますが、ほとんど役にたちません。だって、Your Account で「何ができるか」は書いてあるけど、「どうやるか」は書いてないんだもの。そこは Google 翻訳などを駆使しつつ、荒野を進むのだ。 Write On はリイシューが 1999 年と古いため amazon.co.jp のカタログではマーケットプレイスからすごいお値段の出品しかなかったので、CD の販売元の France は Magic records のお膝元、Amazon.fr で注文。
残念ながら、リリース当時、ドイツなど数カ国でしかリリースされなかったという幻のアルバム Out On The Road は注文時点では amazon.co.jp には在庫なし、ということで HMV Japan で注文。